睡眠障害対処12の指針①
睡眠障害対処12の指針は厚生労働省の研究班によって睡眠障害を事前に防ぐための方法として
12の指針としてまとめられたもので、医療や保健現場での睡眠指導や
睡眠障害の診断・ガイドラインとして睡眠医学の最新の知見がまとめられたものになります。
今回は12の概要について主だった部分を抜粋して紹介いたします。
指針①睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ充分
次の日に学校や仕事があるのにも関わらず、なかなか眠りにつけず、あせってしまい、かえって眠れなくなってしまった経験をされた方は多いのではないでしょうか?必要な睡眠時間は個人によって異なり長ければ長いほうが良いわけでもありません。日中の眠気がひどかったり平日と比べて週末に2時間以上長く眠らないといられないようなら睡眠不足と判断しましょう。
成人では6~7時間前後の睡眠時間が睡眠充足の目安となります。
8時間以上の睡眠が良いとよく言われますが科学的根拠はなく、必要以上に長く床に入って過ごすとかえって睡眠が浅くなり熟睡感が損なわれてしまいます。
指針②刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
緊張や強い刺激があると入眠が妨げられてしまいます。スムーズに覚醒から睡眠に移行するためには緊張や刺激を避けることが必要となります。入床前にリラックスできれば睡眠に移行しやすくなります。
様々なリラックス方法が推奨されていますが効果は人によって異なるため自分にあったリラックス方法を見つけることが重要となります。
カフェインは覚醒作用をもつ代表的な物質でありコーヒー以外でも日本茶や紅茶、コーラ等のソフトドリンク、栄養ドリンクなどにも含まれています。
カフェインの作用時間は4~5時間とされていますが15時以降の摂取は控えるようにしましょう。
またタバコに含まれるニコチンには交感神経の働きを活発にし睡眠を障害します。リラックスするためにタバコを吸う方が多いですが就寝前のタバコは避けましょう。
指針③眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
自然に寝付くことのできる時刻は季節や日中の活動量などによって変化し自分の意志でコントロールすることは出来ません。
最近の研究から習慣的に眠りに入る2~4時間前の時間帯は1日の中で最も寝付きにくいことがわかっており、早起きや睡眠不足の解消のために意識的にはやく床についても早く眠ることは難しいとされています。
不眠を自覚すると床にいる時間を長くして、不眠をカバーしようと早めに床に就く方が多いですがかえって逆効果になることが多いため眠たくなってから床に就くようにしましょう。
指針④同じ時刻に毎日起床
毎日同じ時刻に起床し、起床後なるべく早く太陽の光を浴び体内時計のリズムがリセットされるとそこから約14~16時間後に眠気が出現します。
週末に少しでも睡眠時間を稼ごうと朝遅くまで床の中で過ごすと朝の光を浴びることが出来なくなりその夜はさらに寝るのが遅くなり、月曜日の朝に起きるのがつらくなってしまいます。
月曜日の朝に起床するのがつらい方は日曜日にいつもと同じ時刻に起床し朝の光を浴びるようにしましょう。
続きは睡眠障害対処12の指針②で紹介いたします。