睡眠障害対処12の指針②
睡眠障害対処12の指針の続きを紹介いたします。
指針⑤光の利用でよい睡眠
起床後、2時間以上暗い室内にいると体内時計のリセットが行われなくなり睡眠が浅くなることがわかっています。
また日本では明るい蛍光灯が好まれる傾向がありますが過度に明るい夜間の室内照明は体内時計のリズムを遅らせることとなり自然な入眠時刻が遅れる原因となります。
朝、目が覚めたら日光を取り入れて体内時計をスイッチオンし夜は明るすぎない照明を取り入れましょう。
指針⑥規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
1日がはじまる朝しっかり食べて栄養を摂取することは脳へのエネルギー補給となり保温を高め活動レベルを高めることに役立っています。
また、規則正しく朝食をとっていると1時間前から消化器系の活動が活発になり朝の目覚めを促進します。
夜食を食べすぎると寝つきが悪くなり、夜中に目が覚め睡眠の質が悪化します。
これは眠る時間帯に消化器系の働きが活発に活動してしまうからで特にたんぱく質の多い食べ物でこの傾向が強くなります。
昼間の運動が夜間の睡眠を安定させ、睡眠の質を改善することがわかっています。
日本人の成人を対象とした調査では、運動習慣のある人は不眠になりにくいという結果が出ています。
運動は好みや体力に応じて無理のない範囲で行えて長続きする方法をとり毎日効果的に行うのが効果的です。
指針⑦昼寝をするなら15時前の20~30分
昼寝は夜の睡眠の質を低下させると考えれてきましたが、最近の研究によると昼食後から15時までの時間帯における30分未満の規則正しい昼寝は夜間の睡眠に悪い影響を与えないだけでなく日中の眠気を解消し、その後の時間をスッキリとした状態で過ごせることがわかっています。
30分以上の昼寝は身体と脳を眠る態勢にしてしまいかえって覚醒後にぼんやりしてしっかりと覚醒するのが困難になります。
また夕方以降の仮眠はいつもの就寝時間に眠れなくなることが多いため
昼寝は15時よりも前に、20~30分としましょう。
指針⑧眠りが浅いときはむしろ積極的に遅寝、早起きに
睡眠に対して意識が過剰になると、少しでも長く眠ろうと床の中で長く過ごすことになることが多いです。
しかしながら、普段の入眠時刻の2~4時間前が最も眠りに着きにくい時間帯であることから、早く床に入ってもなかなか寝付けずかえって不眠を自覚し不安が増強されることに繋がります。また、必要以上に長く床の中で過ごすと睡眠は浅くなり夜中に目覚めやすくなります。
このような場合むしろ遅寝・早起きして臥床時間を減らし熟睡感が増す睡眠制限療法というものがあります。
睡眠制限療法を行うには睡眠に関する理解があることが前提となるためいきなり行うことは避けましょう。
この続きは睡眠障害対処12の指針③でご説明いたします。