良質な睡眠のための行動
睡眠と脳には密接な関係があります。良質な睡眠をとるために行っていただきたい行動があります。
・最適な睡眠時間は6.5~7時間
最適な睡眠時間には、個人差があります。しかし疫学的なデータからみると、6時間半から7時間眠る人が最も認知症になりづらいことがわかっています。ところが、6時間未満と8時間以上はどちらも2倍ほど認知症になりやすいとされています。寝不足も寝すぎもいけないということです。
脳の健康に悪い影響を及ぼすのは、睡眠障害です。睡眠障害は、なかなか寝つけない入眠困難、長い時間寝ているはずなのに疲れが取れない熟眠困難、夜中や早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒、寝ていて途中で目が覚めてしまう中途覚醒があります。
それぞれの睡眠障害には原因があるとされます。HANAReは睡眠をコンセプトとした施設となっているため睡眠に関するお悩みのある方は是非一度お越しください。
・昼間の覚醒と夜間の睡眠のリズムを整える
人は1日の4分の1から3分の1にあたる時間寝ています。身体と脳を日ごとにリセットするには、それだけ長い時間が必要です。その6~7時間のうちに、レム睡眠とノンレム睡眠という波が交互に訪れています。
レム睡眠の時間帯には身体は休んでいるのですが、目がぴくぴく動いています。脳は覚醒状態にあって活発に働き、記憶の整理や定着を行っています。夢を見るのは、レム睡眠の間です。
目が動かないノンレム睡眠は深い眠りで、脳も休んでいると考えられています。ところが、脳の休息に欠かせないノンレム睡眠は、加齢とともに浅くなります。たとえばトイレに起きやすくなるのは、眠りが浅くなるせいです。睡眠障害がなくても、老化によって睡眠は浅く短くなり、質が低下していくのです。
そのため、昼間の覚醒と夜の睡眠のリズムを整えることが、若い頃より意味をもちます。
なるべく太陽の光を浴びたり、運動して身体を疲れさせたりなど、夜になったら眠りにつきやすい環境を整えることが必要です。
生活習慣や個人のライフスタイルによりますが、身体にとっては11時ごろに寝て、6〜7時ごろに起き、体内時計を整える生活を心がけましょう。
・寝具や空調などの環境を作る
寝具や空調などの環境作りも睡眠には大切です。眠気が訪れるのは、身体がいったん温まってから冷めるときだと言われています。寝る前に入浴すれば、湯上がりから冷めてベッドに入るタイミングで眠気がやって来ます。
室温はどのくらいが適当かという医学的なデータはありませんが、冬は暑すぎず、夏は涼しすぎず、身体に風が直接当たらない間接空調のほうが心地いいとされます。いびきをかく人や副鼻腔炎がある人は、仰向けより横向きの姿勢が寝つきやすいです。
・時間と気持ちの余裕を持つ
時間と気持ちの余裕をもって、睡眠に入ることが大切です。寝よう寝ようと考えることは精神的な圧迫になってしまい、かえって寝付けなくなります。なるべく楽しいことを思い浮かべながら眠りにつきましょう。
また、ルーティーンを作っておくと、脳がそれを覚えてこれから眠るんだなと学習してくれます。昼間の活動的な交感神経から、夜の安らぎの副交感神経への切り替えを、身体のリズムにしてしまうことが大切です。
・寝酒はしない
寝酒はお勧めできません。寝つきをよくするような気がしますが、睡眠は浅くなり、早く目が覚めてしまいます。アルコールには覚醒作用があるため就寝の3時間前には摂取を控えるようにしましょう。