良い睡眠を取るために
成人の5人に1人が睡眠の悩みを抱えているという日本。平均睡眠時間は6時間18分と先進国の中で寝不足大国です。一体どうすれば快適な眠りを得ることができるのか。快眠を得るために取り組むべき4つの方法をお伝えします。
・大切なのは寝室だけでなくリビングの明るさ
必要な睡眠時間には個人差がありますが、さまざまな研究や調査から、平均で7時間前後の睡眠が必要とされます。さらに重要なのは睡眠の質で、質の良い睡眠をとるためには、まず寝室の環境を整えることです。部屋を暗くすること、静かな環境にすること、温度湿度を快適に保つことの3つがとても重要です。
これは寝室だけじゃなくリビング・ダイニングにも言えます。催眠作用のあるメラトニンというホルモンは光の刺激が弱まると脳内で分泌される量が増えます。寝室を真っ暗にしても、その前にいる環境で明るすぎるとメラトニンの分泌が進まず、なかなか眠たくならない、ということになってしまいます。
・眠くもないのにベッドに入らない
睡眠衛生では、寝室やベッドには眠くなってからいくものとされます。眠くないのに無理にベッドに行っても眠れないし、「寝よう、寝よう」という考えは余計なストレスを産み、眠れなくなってしまいます。
眠れない場合は、無理に寝ようとせず1度ベッドから出て、眠気が来るまで待ってから横になることが必要です。大切なのは自然に眠くなって自然に起きる習慣です。それでも日中、眠気に襲われたり眠れないせいで体調が悪くなったりする場合は医療機関を受診するのも大切な選択肢だと思います。
また、スマホを見てしまう場合は、SNSやショート動画を続けてみると脳が活性化してしまいます。仮に見るなら映画など長時間で一方的なコンテンツが良いと思います。
・昼寝は応急措置 ときに逆効果
ヒトは成人の場合、基本的に昼寝は不要で、夜の睡眠が不足している場合にのみ推奨されます。昼寝はあくまで応急措置で、夜しっかり眠ることが理想とされます。特に高齢者では、昼間の活発な生活習慣をつけることが有用で、適度な運動を行い、昼寝をしないことも大切です。
現役世代の方で昼寝をする場合は14時頃までにすること。そして20分間程度で切り上げることがポイントです。脳の疲労回復のためにはその程度で十分です。逆に20分を大きく超えてしまうと深い睡眠となってしまうため、脳が再び覚醒するのに時間がかかり、不快感が残ったりしてしまいます。
・寝過ぎてだるいは勘違い 睡眠不足の証拠
週末に寝過ぎたことで月曜日はいつもだるいなんてことはありませんか。ヒトは「寝過ぎる」ことは出来ないとされています。睡眠が足りていたら、それ以上眠ることは出来ず、必ず起きてしまいます。週末に昼まで寝られるということは、それまでの睡眠がいかに足りていなかったかの証拠となります。
月曜日に体調が悪くなるのは、週末に昼まで眠っているせいで、睡眠中央時刻、これは就寝時刻と起床時刻のちょうど真ん中の時刻のことを言いますが、それが後ろにズレてしまい、それを月曜日に元に戻すことで、いわば時差ボケ状態になってしまうためです。これは「社会的時差ボケ」と呼ばれる状態です。
こうした「自覚なき睡眠不足」の方が日本ではとても多く危険です。成人に必要な睡眠時間は平均すると7時間前後で、それより少なくても大丈夫な人もいます。しかし、自称ショートスリーパーは、睡眠不足を自覚できていないだけとされ、そのまま生活を続けていくと、昼間の脳のパフォーマンスが低下して仕事に支障が出てしまいますし、健康にも悪影響です。
ご自身の生活を見直し質の良い睡眠をとるようにしましょう。