うつ病は疲れから
日常的な不安や漠然とした生きづらさ、自分への嫌悪、また体調不良などを感じていても、多くの場合、自分の性格や対処が悪いから、もしくは他者の悪意、社会の歪み、不運のせいだと考えている人が多いと思います。
「最近仕事がまわらなくてつらい」「悲しくもないのに涙が止まらない」「なぜかずっと不安が消えない」。こういった悩みのほとんどは、実は「疲労」から始まっています。
しかし、蓄積する疲労は自覚しにくいため、表面にある心身の不調と結びつけにくくなっています。
疲れた状態では、体調が崩れやすく、集中力がなくなり、思考・感情に偏り(やたら不安になり、やたら自分を責め、やたら自信がなくなる)が出てきます。体調不良と集中力の低下で仕事がまわらなくなり、それを偏った思考・感情で受け取るので、疲れが原因とは思わず「これくらい一人でできる」と自分を追い込んでしまうのです。
体が疲れていても活動し続け、さらに疲労がたまってますます仕事ができなくなり、ネガティブな感情があふれかえってしまう。これが、現代人がうつ病になっていく過程です。
うつ病の始まりは疲労から、といっても「疲労→うつ」と一足飛びにいくわけではありません。疲労がたまってうつ病の症状が出るまでの経過は、大きく3段階に分けられます。
・1段階(通常モード)
元気な状態。多忙な数日を過ごしても、集中力ややる気はそれほど落ちません。
疲労は感じても、仕事やイベントなどが終わり数日すれば、元の状態に戻ります。
しかし、何らかの原因で心身のエネルギーを使う場面が続くと、疲労の回復が追いつかず、徐々に疲労が蓄積して、疲労の2段階に突入していきます。
・2段階
「眠れない」「食べられない」などの肉体的サインが強くなります。ほかにもだるさや頭痛、腰痛、肩の痛みなどさまざまな不調が出ることもあります。
2段階では、いつもと同じ刺激に対して2倍ショックを受け、2倍疲労してしまいます。
また、自信もなくなり始め、疲労感や苦しさなどの不調や変化を自分でも否定し、周囲に見せないようにしてしまいます。これが、疲労の蓄積をさらに気づきにくくしているのです。
いつもよりイライラしている、やる気が出ない、億劫な感じがずっと消えない、傷つきやすくなっている。このような状態のときは、2段階に陥っていると考えられます。
・3段階
同じ刺激に対し3倍ショックを受け、3倍疲労し、回復まで3倍の時間を要する状態です。この状態になると日常生活を送ることが難しくなってしまいます。疲労がたまり3段階に突入すると、2段階で感じていた体調不良、不安、自信の低下、自責、そして疲労がさらに強まります。加えて「自分などいないほうがいい」「消えてしまいたい」「死にたい」と考えることもあります。元気なときには考えられない思考・感情に陥ってしまいます。
上記のような症状に陥らないためには休養をとることが重要になります。適切な睡眠時間の確保、質の良い睡眠を心がけて疲労を蓄積しないようにしましょう。また、HANAReで行っているドライヘッドスパは睡眠の質を向上させるための施術となっています。普段、忙しく休養に時間を割けない方、疲れを常に感じている方は是非ご相談ください。