脳と睡眠
脳と睡眠は深く関わっています。
脳には、海馬という領域が存在していて、記憶をつかさどっています。近年の研究で、記憶力は海馬の大きさに関係していることがわかっています。海馬が大きければ、記憶力が良く、一方で海馬が小さいと、記憶の定着が悪くなります。
海馬の大きさは、生まれつきのものではありません。海馬は自分の努力で大きくすることができます。人間の脳にある神経細胞は、生まれてから死ぬまで、右肩下がりで減っていきます。しかしその中でも海馬だけは例外で、増やすことができます。そしてその成長と深く関連しているのが睡眠になります。十分な睡眠は海馬を良く育て、睡眠不足は海馬を縮ませてしまいます。その1番の原因は、ストレスにあると考えられます。睡眠不足になると、自分がそう感じていなくても心身ともに大きなストレスがかかります。勉強や仕事などが、やる気に満ちていて、深夜まで集中力が続いていたとしても、心身は睡眠不足を感じている可能性があるのです。
睡眠は年齢によって適正とされている時間があります。しっかり睡眠をとることは、勉強や仕事の効率を上げるだけではなく、脳の健康維持や認知症の予防にもつながります。
今日まで睡眠不足の生活を続けてきたからといって、取り返しがつかないわけではなく、睡眠不足を改善すれば、海馬(脳)はまた成長を取り戻します。生涯にわたって脳の健康を保てるように、きちんと睡眠をとりましょう。
睡眠には、「レム睡眠」「ノンレム睡眠」という2つの種類があります。
レム睡眠は浅い眠りのことで、夢を見る時がこの時です。夢を見るという点からも想像しやすいかもしれませんが、脳は休んでいない状態で、 体を休めている状態になります。また、金縛りはレム睡眠の時に起こると考えられています。体は休んでいるのに、脳は動いているので、この時に脳が覚醒してしまうと、 身動きが取れなくなってしまうのです。レム睡眠の時には、脳の一部が活動しているので、日中に起きたことや経験したことの情報を整理してくれています。
ノンレム睡眠は、深い眠りのことで、脳も休んでいる状態です。脳が休んでいるので、もちろん夢は見ません。研究によると、ノンレム睡眠の時には、記憶を消去しているとされています。ただし、主に消去しているのは嫌な記憶です。「嫌なことは、寝たら忘れる」と言われることもありますが、ノンレム睡眠がストレスになることを消してくれていたのです。
記憶にはこの2つの睡眠が非常に重要です。
受験勉強などの知識を記憶したい時には、起きる直前に繰り返されるレム睡眠が大切です。6〜7時間睡眠を取れば、自然とレム睡眠は繰り返されるので、睡眠時間を確保した方が効率的に知識を定着できます。スポーツや楽器など体に定着をさせるには、ノンレム睡眠を取ることが重要です。体に染み込ませたいことを体験した日は、しっかり睡眠を取れば、次の日には自然とできるようになるとされています。
しっかり睡眠をとることは脳の成長と記憶の定着に大きく関わります。まずはご自身の睡眠時間を見直し、質の良い睡眠がとれているのか確認しましょう。
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