睡眠時無呼吸症候群について
人は寝ている間にも様々なことをしています。寝言を言う人もいれば、夢を見ることも多いです。その中でも、毎晩何百回もしているのが呼吸です。
呼吸が止まってしまうと数分で死んでしまう可能性があるため、睡眠中の呼吸は自然にできているはずです。しかし、臨床医学情報サイトの情報によれば、北米では男性の15〜30%、女性の10〜15%が、睡眠中1時間につき無呼吸または低呼吸が5回以上あると推定されています。この症状は睡眠中に気道がふさがることで起こり、睡眠時無呼吸症候群といいます。
原因は大きく分けて2つあります。1つめは空気の通り道である上気道が物理的に狭くなる「閉鎖性睡眠時無呼吸タイプ」。もうひとつは呼吸中枢の異常による「中枢性睡眠時無呼吸タイプ」です。睡眠時無呼吸症候群患者の約9割が前者といわれています。睡眠時無呼吸症候群は、男性や高齢者、肥満の人に多く見られますが、子どもを含め、年齢や体形によらず全ての人に発症する可能性があります。心臓病、糖尿病、認知症などの健康問題と関連しているため、睡眠時無呼吸症候群の治療は何よりも重要とされています。
症状として軽度あるいは中程度の睡眠時無呼吸症候群の人は、1時間につき数回、呼吸が止まるだけかもしれませんが、重症の人の場合、1時間につき何十回も呼吸が止まってしまうこともあります。特徴的なのがいびきで、気道が狭くなっている証拠になります。特に10秒ほど息が止まった後に大きないびきをかき始めたら疑わしいとされています。睡眠中に体を休めることが出来ないため、日中の眠気や頭痛、疲労感、注意力の欠如を引き起こす可能性があります。高血圧や糖尿病などの人の場合、こうした持病の治療が効きにくくなくなることもあります。
日中起きている時
・強い眠気がある
・倦怠感、だるさ、疲労感を感じる
・集中力がもたない
朝起きた時
・口が渇いている
・スッキリ起きられない
・頭痛がする
・体が重く感じる
夜眠っている時
・いびきをかく
・いびきが止まり、再びいびきをかき始める
・呼吸が止まる、乱れる
・息苦しそうにする
・何度も目が覚める
・寝汗をかく
このような症状のある方は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。
また、睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病、脂質異常症を合併しやすいです。
生活習慣病の診断をされた方も調べる必要があるかもしれません。
過食やアルコールの多量飲酒、運動不足などリスクファクターが隠れているかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は本人が気付いていないケースが多々あるようです。放っておくと日常生活に支障をきたすだけでなく、生活習慣病や死に至る病気にまでつながるおそれもあります。いま一度生活を見直す機会をぜひ作ってみてください。