副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群と睡眠
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群という言葉をお聞きしたことはございますか?
正式な病気と認知されているものではないのですが、現代人にとても多い症状になります。
今回はこの副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群と睡眠について説明していきます。
副腎とは?
副腎は50種類以上のホルモンを生産・分泌している、腎臓の上にあるピラミッド型をした小さい臓器です。
5gほどの大きさしかありませんがステロイドホルモンの分泌や
栄養素の代謝、ストレスのコントロール、心臓や血管などの循環器系の調整など
生体内環境を保つために必須の臓器で
副腎の機能低下は生命の維持に関与してくる大きな問題となります。
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群とは?
仕事、家庭、人間関係といった精神的ストレス、偏った食生活、慢性的な運動不足
ライフスタイルの乱れによって副腎の機能が低下するとホルモンバランスが乱れ
慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギー症状、睡眠トラブルなど
様々な症状を引き起こします。
これが副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群と呼ばれる病態です。
副腎疲労症候群の具体的な症状
・ストレス時や夜に悪化する疲労感
・精神・感情の不安定性、うつ、適応障害、不眠症
・消化器の異常:食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛
・ストレス時に起こる機能的低血糖
・塩分や糖分、カフェイン、スパイスへの欲求過多
・呼吸・循環器系の異常:頻拍、動機、過呼吸、起立性低血圧
・顔面蒼白、悪寒、冷や汗
・PMS(月経前症候群の悪化)
・アレルギー症状の悪化、皮膚の炎症、脱毛、
・刺激に対する過敏症
上記のような症状が起こります。
また、私たちのところにご来店された際に
お客様の副腎疲労を疑う際のフレーズとして
・朝がとにかく苦手
・カフェインを摂取しないと元気が出ない
・たくさん寝ているのに疲れが取れない
・日中はだるいが夜になると元気が出てくる
・ストレスを感じると甘いものが食べたくなる
・貧血気味、貧血を起こすことが多い
・頭がスッキリしない
・意欲や性欲がわかない
こういった言葉が出てくることが多いです。
副腎疲労の3段階
1stステージ(警告期)
比較的ストレスが軽く、ストレスを受けている自覚症状がない
2ndステージ(抵抗期)
ストレスが重く、副腎が必死にコルチゾール(抗ストレスホルモン)
を分泌して戦っている
3rdステージ(疲労期)
副腎に疲労がたまり、ストレスに負けて身体に不調が現れる
すでに現代人の多くが1st,2ndステージに入っていると言われています。
副腎疲労と睡眠
最後に副腎疲労症候群と睡眠についてご説明させていただきます。
副腎が疲労していると夜中に目が覚める中途覚醒が起きやすくなり
またたくさん寝たはずなのに、疲れが取れていない
朝起きたらすでに身体がガチガチといったことが起こります。
これには血糖値と先程も出てきたコルチゾールという
抗ストレスホルモンが関わってきます。
コルチゾールは過度なストレスを受けると分泌量が増大し
抗ストレスホルモンとして身体の恒常性を保つために働きます。
また作用の1つに血糖値を上昇させるといった作用があります。
就寝中は食事がとれないため、成長ホルモンとコルチゾールを使って
血糖値が下がりすぎないようコントロールしているのですが
日中にかかるストレス量が多くコルチゾールが分泌されすぎてしまうと
就寝中にコルチゾールが出なくなり血糖値が下がってしまいます。
コルチゾールが出ない分、アドレナリンやノルアドレナリンといった
ホルモンを使って血糖値をコントロールしようとするのですが
アドレナリンやノルアドレナリンは交感神経という神経の働きを高めてしまうため
身体が興奮状態(覚醒)になってしまうため、途中で目が覚めてしまい
そこからなかなか寝付けなくなってしまったり(中途覚醒)
目は覚めなくても、過緊張状態が続いてしまい
睡眠中に十分にリラックスができないため
朝起きたらかえって身体がガチガチになっている状態となってしまいます。
副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)症候群の改善には?
副腎疲労の改善には食生活の改善、メンタルケアの2点が非常に重要になります。
副腎疲労の原因は特に食生活の乱れ、胃腸機能の低下によることが多いです。
栄養の不足や栄養素の吸収不良によって、副腎がホルモンを作る材料が十分に入ってこず
むしろ無駄遣いが増えてしまい、副腎の回復が難しくなってしまいます。
またメンタルのケアを十分に行うことも重要です。
前述の副腎疲労の3段階でもご説明しましたが
ストレス量が多くなると副腎が必死に頑張り
抗ストレスホルモンを分泌してなんとか体調を維持しようと頑張りますが
副腎が頑張り過ぎてしまいストレスに負けてしまうと
身体に不調が現れてしまいます。
ストレス量を減らし、副腎にかかる負担を軽減させることも
副腎疲労の回復には大切になります。
しかしながら、このストレスの原因が仕事や家庭だった場合、なかなかこの原因を
取り除くことは難しいかと思われます。
そういったケースの場合は副交感神経が優位に働く時間を
増やしていくことが重要になります。
HANAReは睡眠をコンセプトとした店舗になりますが
アプローチをしているのは副交感神経に対しての介入となっています。
今回の副腎疲労症候群に関しての投稿をお読みいただき
該当される方は、一度HANAReにご相談ください。