サウナ浴と睡眠の関係
サウナに入らなかった日と比べて、サウナ浴後は簡単に入眠でき、かつ深く眠れる。
ということを多くの人が証言しています。
今回は、サウナ浴が良い睡眠につながる理由とはどのようなことなのかお伝えします。
まず1つ目の理由は、セロトニンの増加とノルアドレナリンの降下を誘発するためです。質の良い睡眠のために重要な神経伝達物質は、「幸せホルモン」といわれる「セロトニン」です。論文によれば、「サウナ浴は、ほかの温熱療法と同様に、身体の温度調節メカニズムの過程でセロトニン分泌を活発化させる」とあります。
約30分のサウナ浴で体温が大幅に上昇すると、一度覚醒をつかさどる「ノルアドレナリン」が多く放出されますが、同時に、体温調整や興奮抑制のために「セロトニン」の分泌もさかんになります。入浴後は徐々に体温の低下や脳の冷却が起こるため、脳の「ノルアドレナリン」量も低下します。
セロトニンの分泌増加とノルアドレナリン量の低下により、サウナ浴後約2~3時間後に最も入眠しやすくなり、眠りの深さも増加しやすくなるとされます。
眠りに落ちやすいのは、体の深部温度が十分に下がるときとされるため、運動やサウナ浴のあとは、クールダウンによって身体を冷やしたほうが、安眠を確保できる可能性が高くなります。
2つ目の理由は、入眠後のノンレム睡眠量が増加するためです。
睡眠中は、深い眠りであるノンレム睡眠と、浅い眠りであるレム睡眠という睡眠状態が交互にやってきます。夜間には、それぞれの睡眠状態が約1時間半の周期で入れ替わり、一晩のうちに3~5回は交代を繰り返すとされます。
ノンレム睡眠は、とりわけ脳にとって重要な時間で、不眠症などの睡眠障害はストレス、集中力の低下、物忘れ、注意散漫、憂鬱、頭痛などを招きます。
ある研究の結果では、サウナ後の睡眠のほうが、最初の2時間で70%強、6時間で約45%も、統計的に「ノンレム睡眠量」が増加していたと報告があるため、サウナ後は深い睡眠が得られやすくなっていると言われています。
しかし、サウナ浴の経験がない、あるいは浅い人にとっては、睡眠の改善よりむしろ負担になる可能性も否めない、という指摘もあるためサウナへの慣れということも大きく関わってくると考えられます。
睡眠の質を上げるには、眠りにつくまでの過程が大切です。睡眠に関してのお悩みを抱えている方は改善策の1つとしてサウナ浴をするということは価値のあることだと思います。